交響詩「ローマの祭り」
イタリアの作曲家、レスピーギが1928年に作曲した交響詩。
いわゆる「ローマ三部作」の第3作である。
3作中最も、ダイナミックなオーケストレーションである。
ただし、バンダは「ローマの松」よりも小規模で抑えてある。
(だって、トランペット3人ですぜ?w)
全4部、演奏時間:約25分
<楽曲構成>
(例によって)第4部まで休み無く一気に演奏される。
Ⅰ.チルチェンセス
古代ローマ時代にネロが円形劇場で行った祭が
チルチェンセスである。
どんな祭りかというと、
捕まえたキリスト教徒たちを衆人環視の中で
猛獣が喰い殺すという残酷な祭りである。
冒頭は祭りの開始を知らせるファンファーレである。
その後、金管楽器群が猛獣役となって吠えまくっている。
途中、聖歌っぽい旋律が聞こえるが、
これは教われるキリスト教徒たちの最後の祈りである。
最後は、パイプオルガンまでもが加わる。
演奏時間:約4分45秒
Ⅱ.五十年祭
五十年祭とはロマネスク時代の祭りのことだそうな。
賛美歌と協会の鐘が出てくる曲となってる。
50年に1度の大赦の日にローマにある丘を目指して歩く、
巡礼者たちを表している。
なお、この楽章にもオルガンが入る。
さらに、ピアノは連弾である。
演奏時間:約7分30秒
Ⅲ.十月祭
ローマの城で行われるルネサンス時代の祭りが舞台。
ブドウの収穫祝って行われる、酒祭りのだそうで、
マンドリンの奏でるセレナードに酔いしれる人々を表している。
ちなみに、この楽章、前半はホルンがすごく活躍するのだが、
これは狩りの響きという。
演奏時間:約8分20秒
Ⅳ.主顕祭
ナヴォーナ広場で行われる主顕祭の前夜祭が舞台。
これこそ「まつりじゃああああああああ!!!!」と言わんばかりの
めちゃくちゃ華やかな曲である。
のっけから、クラリネットが狂ったような旋律を奏でる。
手回しオルガンやら、なんやらかんやらを表している。
トロンボーンのソロがグリッサンドを奏でるのだが、
これは酔っぱらいを表している。
なんていうか、もう最後はカオスになってそのまま終わる。
演奏時間:5分10秒〜5分30秒
<楽器構成>
例によって、これも楽器が多い。
・木管楽器
・ピッコロ
・フルート
・オーボエ
・イングリッシュホルン
・クラリネット
・クラリネット(Es)
・バスクラリネット
・ファゴット
・コントラファゴット
・金管楽器
・ホルン
・トランペット
・トロンボーン
・チューバ
・打楽器
・ティンパニ
・シンバル
・タンブリン
・トライアングル
・テナードラム
・グロッケンシュピール
・シロフォン
・タムタム(銅鑼)
・ラチェット
・鐘(チューブラ・ベル)
・鈴
・タヴォレッタ(木槌で打つ小さな木の板)
・マンドリン
・鍵盤楽器
・ピアノ(4手連弾)
・オルガン
・弦五部
・ヴァイオリン1
・ヴァイオリン2
・ヴィオラ
・チェロ
・コントラバス
・ブッキーナ(バンダ)
・トランペット(Ⅰ.チルチェンセスで使用)
<余談>
はい、15曲目
前回、前々回に引き続き、
レスピーギのローマ三部作より第3作「ローマの祭り」を取り上げたw
これが、3部作の最後。
やれやれw
三部作中、一番華やかで賑やかな曲である。
特に、第4楽章は「祭りって言ったらこうよね」と
言わんばかりの曲であるw
この4楽章、オーケストラと指揮者によって、テンポが異なる。
いくつか紹介しよう。
<最高速>
管弦楽:ブタペスト・フィルハーモニー管弦楽団
指 揮:リコ・サッカーニ
http://www.youtube.com/watch?v=ADOX0gCrJrU
大暴走どころか、大爆走であるw
よくオーケストラがついて行けるなぁ〜と感心してしまう演奏である。
<最低速>
管弦楽:スロヴァキア放送交響楽団
指 揮:オンドレイ・レナルト
また、オーケストラを固定し、指揮者で変わる例
<高速>
管弦楽:フィラデルフィア管弦楽団
指 揮:リッカルド・ムーティ
<低速>
管弦楽:フィラデルフィア管弦楽団
指 揮:ユージン・オーマンディ
そこそこのテンポで安定している演奏が好みならば、
・小沢征爾指揮
・シャルル・デュトワ指揮
の演奏がちょうどいい速さでいいw
ちなみに、
2009年の「N響ほっとコンサート」で
NHK交響楽団が現田茂夫さんの指揮で演奏しているのだが、
この演奏はNHK交響楽団の本気を見る事ができる名演。
こんな風に、いろんな演奏を聴き比べるのも楽しい曲であるw
管弦楽のみならず、吹奏楽でもよく演奏されるので、
そちらも聞いてみると面白いかもw
さて、3回にわたってお送りしてきた「ローマ三部作」
これで、3作全部紹介した。
どれが皆さん好み?w
さて、次回は、・・・・なに取り上げようか・・・。