ピアノ協奏曲 ヘ調
アメリカの作曲家、ジョージ・ガーシュウィンが1925年に作曲したピアノ協奏曲である。
指揮者ウォルター・ダムロッシュの委嘱により作曲された曲で、
正しくは「ヘ調の協奏曲(Concerto in F)」というらしい。
有名な「ラプソディ・イン・ブルー」よりも後に作曲された曲で、
「ラプソディ・イン・ブルー」よりもピアノ協奏曲っぽくなっている。
とは言うものの、やっぱりジャズの影響を思いっきり受けているのは間違いない。
ただ、「ラプソディ・イン・ブルー」の時はオーケストレーションに人の手を借りて行っているのに対して、「ピアノ協奏曲 ヘ調」はオーケストレーションを自力で行っている。
そのため、ガーシュウィンの曲であるということがよくわかる。
初演はなんとニューヨークのカーネギー・ホールにおいて、
作曲者であるガーシュウィン自身のピアノ独奏、
委嘱者であるダムロッシュ指揮のニューヨーク交響楽団によって、行われた。
ちなみに、この曲を聴いた同時代の作曲家にストラヴィンスキーとプロコフィエフがいるのだが、
この2人のこの曲に対する評価は正反対で、
ストラヴィンスキーは「天才の仕事」と認めたが、
プロコフィエフは思いっきり毛嫌いしたそうな。
全3楽章、演奏時間:約35分弱
<楽曲構成>
第1楽章:Allegro ヘ長調
2分の2拍子で書かれており、テンポが速い曲である。
作曲当時に流行っていた大衆的なダンス音楽が元となっているらしい。
明らかなジャズっぽい箇所があったりして、面白い曲である。
演奏時間:約13分
第2楽章:Adagio - Andante con moto 変ニ長調
第1楽章とは正反対におとなしい楽章である。
今度は、ブルースっぽいw
というか、出だしからブルースっぽいw
っていうか、どう聞いてもブルースっぽいw
そんだけwwwwww
途中に、ヴァイオリンのソロパートがある。
(大概、コンマスが奏でる)
どこか、ニューヨークの夜の景色を表しているようなところもある。
最後は静かに終わる。
演奏時間:約13分
第3楽章:Allegro agitato ヘ短調
オーケストラの激しいリズミカルな連打で始まる。
第1楽章と第2楽章の良いとこを集めてまとめた感じの楽章である。
ピアノもまた、同じ音を連打するところが多い。
時々、ピアノが伴奏に回る事があって、面白いw
また、演奏面では短いグリッサンドやら、
楽器面では弱音器やら、銅鑼やらいろんな物が出てくる。
終盤に、第2楽章の
「どこか、ニューヨークの夜の景色を表しているようなところ」
と書いた部分が出てくる。
最後は華やかに終わる。
演奏時間:約9分
<楽器構成>
・独奏楽器
・独奏ピアノ
・木管楽器
・ピッコロ
・フルート
・オーボエ
・コーラングレ
・クラリネット
・バス・クラリネット
・ファゴット
・金管楽器
・ホルン
・トランペット
・トロンボーン
・チューバ
・打楽器
・ティンパニ
・シンバル
・トライアングル
・大太鼓
・小太鼓
・銅鑼
・鐘(チューブラ・ベル)
・木琴
・弦五部
・ヴァイオリン1
・ヴァイオリン2
・ヴィオラ
・チェロ
・コントラバス
<余談>
はい、25曲目です。
今回は「ピアノ協奏曲 ヘ調」を取り上げてみた。
この曲を最初に聞いた時は衝撃的だった。
これはジャズなのか、クラシックなのか、分類に困った。
最初に聞いたのは第3楽章なんだけど、
「もうジャズじゃんかよ」と思った事をよく覚えてるw
全楽章をまともに聞いたのは2005年のNHK音楽祭の
小沢征爾さんが指揮を振ったNHK交響楽団の演奏。
テレビで放送された時にみたんだけど、
もう最初から鳥肌立ちっぱなしだったし、演奏が終わったときは、
感動で涙が出てきた。
あのDVDは今でも大切に保管してある。
ジャズも好き、クラシックも好きって人にはもってこいの協奏曲だよw