アルルの女
フランスの作曲家、ビゼーが1872年に作曲した全27曲の劇付随音楽である。
初演の評価は芳しくなかった。ビゼーの死後、再演され大好評のうちに迎えられた。
この劇付随音楽からそれぞれ4曲抜粋した
第1組曲と第2組曲があり、今日はこの2つの組曲の方が有名である。
第1組曲は初演後作曲者自身によって編曲され、
第2組曲は作曲者の死後、作曲者の友人により完成された。
今回はこの2つの組曲について書く。
第1組曲 全4曲 演奏時間:約20分
第2組曲 全4曲 演奏時間:約20分
<楽曲構成>
▼第1組曲
1.前奏曲
プロヴァンス民謡「3人の王の行列」がモチーフの曲
このモチーフは第2組曲にも登場する。
第2主題でサクソフォーンが出てくる。
2.メヌエット
舞踏会という感じの曲である。
割と聞いていて楽しいメヌエットである。
3.アダージェット
弦楽合奏の美しいメロディーの曲である。
4.カリヨン
カリヨンとは、平たく言えば演奏式の鐘のことである。
ちなみに、日本語では「組み鐘」という。
この曲ではカリヨンは出てこないが、
冒頭ホルンによって、それが再現されている。
▼第2組曲
1.パストラール
パストラールとは、要するに牧歌。(正しくは「牧歌的な音楽」のこと)
ゆったりとした、どこかのどかな音楽である。
2.間奏曲
暗い、弦楽のユニゾンで曲が始まる。
途中から幾分か暗さがなくなる。
中間部のサクソフォーンによる旋律が
歌曲として歌われたりしている。
3.メヌエット
アルルの女の中で最も有名な曲。
フルートとハープのみで演奏されることもしばしばある。
実はビゼーの別の歌劇からの転用曲である。
しかも、ビゼー自身が転用したのではなく、
ビゼーの死後、友人のギローが編曲した際に転用した。
4.ファランドール
第1組曲の前奏曲と同じ、
プロヴァンス民謡「3人の王の行列」がモチーフの旋律と、
プロヴァンス地方で踊られる舞曲である「ファランドール」を、
巧みに組み合わせた曲である。
この曲も、有名な曲である。
途中からプロヴァンス太鼓が加わり、どんどん加速する。
最後は熱狂的に終わる。
<楽器構成>
・木管楽器
・ピッコロ
・フルート
・オーボエ
・コーラングレ
・クラリネット
・ファゴット
・アルト・サクソフォーン
・金管楽器
・ホルン
・コルネット
・トランペット(省略可、ただし省略した場合はコルネットで代用)
・トロンボーン
・打楽器
・ティンパニ
・スネアドラム(第1のみ)
・シンバル(第2のみ)
・バスドラム(第2のみ)
・プロヴァンス太鼓(第2のみ)
・タンバリン(プロヴァンス太鼓が無い場合のみ、第2のみ)
・鍵盤楽器(省略可)
・ピアノ
・弦楽器
・ハープ
・弦五部
・ヴァイオリン1
・ヴァイオリン2
・ヴィオラ
・チェロ
・コントラバス
<余談>
はい、久しぶりのこのシリーズです。
33曲目かなw
今回は「アルルの女」を取り上げてみましたw
第2組曲の4曲目「ファランドール」には思い出がありまして。
小学生最後の授業参観のときに僕が指揮した曲です。
初めて指揮した曲ですよ。
散々、周りに「指揮者になりたい」と言いまくっていた時期なので、
保護者の中でも地味に有名になっていて、注目されてた。
演奏終わったときの拍手が僕の時が一番大きかったことを後で
先生とか親から聞いて、嬉しかったことを忘れられない。
授業参観終わって、教室戻る時にピアノやっていた女の子から、
「速いよ、ばかぁ!」って言われたことは今でも覚えてるw
そんな思い出あのある曲である。
あの時のビデオ誰かもってんじゃないかなw