動物の謝肉祭
フランスの作曲家、サン=サーンスが1886年に作曲した組曲である。
全14曲の組曲で、元々、室内楽曲として作曲された。
動物といえども、動物じゃない物まで出てくるという、
ちょっと変わった楽曲である。
ちなみに、めちゃめちゃ稀だが「
動物学的大幻想曲」なんて呼ばれる事もある。
全14曲、演奏時間:約20分
<楽曲構成>
第1曲:序奏と獅子王の行進曲
ピアノの反復奏から始まる。
ピアノのファンファーレに次いで
ライオンの勇壮な行進が弦楽器のユニゾンで奏される。
第2曲:雌鶏と雄鶏
ピアノと弦楽器が鶏の鳴き声を表すだけの曲
第3曲:騾馬(ロバ)
ピアノの上り下りする強奏(競走)の音階
第4曲:亀
弦楽器がとてもゆっくりと日本の運動会では有名なある曲の旋律を奏でる。
第5曲:象
コントラバスがワルツを奏するという変わった曲。
これも、ある曲とある曲が混ざってる。
第6曲:カンガルー
装飾の付いた和音が上下する曲。
ピアノだけである。
第7曲:水族館
ピアノの分散和音による伴奏に合わせて、
幻想的なメロディーが奏でられる。
この曲で非常に希少なグラスハーモニカが登場する。
第8曲:耳の長い登場人物
なにを表しているのか謎。
ロバなのかなんなのか。
作曲者の音楽に嫌味な評価を下していた
音楽評論家たちへの皮肉と言われている。
第9曲:森の奥のカッコウ
クラリネットがカッコウの鳴きまねをするだけ。
第10曲:大きな鳥籠
弦楽器が反復奏する伴奏の上を、フルートが軽やかに飛び回る。
第11曲:ピアニスト
故意に下手くそにピアノを弾く曲
しかも、スンゲー簡単な音階の練習を下手くそに弾く。
第12曲:化石
2曲のクラシック、4曲の民謡などから成る曲
全部分かったらスゴいw
第13曲:白鳥
多分、この組曲中で一番有名な曲。
チェロのソロとピアノで奏される。
第14曲:終曲
これも運動会で有名なあの曲が使われている。
13曲までに登場した動物たちが再登場する。
最後は華やかに終わる。
<楽器構成>
・木管楽器
・ピッコロ
・フルート
・クラリネット
・グラスハーモニカ(←稀少楽器)
通常チェレスタやグロッケンシュピールで代用
・シロフォン
・ピアノ(2台)
・弦楽器
・ヴァイオリン
・ヴィオラ
・チェロ
・コントラバス
<余談>
はい、31曲目です。
楽しい曲なので、子供が聞いていても飽きないだろうw
クラシック上級者でも楽しめる。
それぞれ隠れている曲の答え
第4曲 オッフェンバックのオペレッタ「地獄のオルフェ」
第5曲 ベルリオーズの「ファウストの劫罰」〜「妖精のワルツ」
メンデルスゾーンの「夏の夜の夢」〜「スケルツォ」
第12曲 サンサーンスの「死の舞踏」〜「骸骨の踊り」
ロッシーニの「セビリアの理髪師」〜「ロジーナのアリア」
フランス民謡「きらきら星」など
第14曲 オッフェンバックのオペレッタ「地獄のオルフェ」〜フィナーレ
この組曲、サン=サーンスが自身が死去するまで本作の出版、
及び演奏を禁じた曲である。
その理由は、
・他の作曲家の楽曲をパロディにし風刺的に用いていること
・プライベートな演奏目的で作曲されたこと
などの理由だそうな。
ただし、第13曲「白鳥」のみ、作曲者の生前に出版されている。
簡単な曲なので、1度全部聞いてみると良いと思うよw