バレエ音楽「ペトルーシュカ」
ロシアの作曲家、イーゴル・ストラヴィンスキーが1911年に作曲した、
1幕4場のバレエ音楽である。
例のごとく、ディアギレフのバレエ・リュスのために、作曲された。
おがくずの体を持つわら人形の物語。
主人公ペトルーシュカは命を吹き込まれて恋を知るという話。
ちなみに、これも1911年版と1945年版がある。
・1911年版
大規模編成の割には、地味な感じである。
・1945年版
3管編成に縮小した改訂版で、規模の割には上のより鮮やかに聞こえる。
また、4場の最後にパフォーマンス用のフィナーレ(笑)が付いている。
全1幕4場、演奏時間:約35〜40分
<場面構成、及び、楽曲構成>
Ⅰ.謝肉祭の市
1 .導入 - 群集
2 .人形使いの見世物小屋
3 .ロシアの踊り
Ⅱ.ペトルーシュカの部屋
4 .ペトルーシュカの部屋
Ⅲ.ムーア人の部屋
5 .ムーア人の部屋
6 .バレリーナの踊り
7 .ワルツ(バレリーナとムーア人の踊り)
Ⅳ.謝肉祭の市(夕景)
8 .乳母の踊り
9 .熊を連れた農夫の踊り
10.行商人と二人のジプシー娘
11.馭者と馬丁たちの踊り
12.仮装した人々
13.格闘(ペトルーシュカとムーア人の喧嘩)
14.終景:ペトルーシュカの死
15.警官と人形使い
16.ペトルーシュカの亡霊
※45年版はこの後にパフォーマンス用のフィナーレ(笑)がつく。
<楽器構成>
・木管楽器
・ピッコロ
・フルート
・オーボエ
・コーラングレ
・クラリネット
・バス・クラリネット
・ファゴット
・コントラファゴット
・金管楽器
・ホルン
・トランペット
・コルネット(1911年版のみ)
・トロンボーン
・テューバ
・打楽器
・ティンパニ
・大太鼓
・シンバル
・グロッケンシュピール
・小太鼓
・タンブリン
・トライアングル
・木琴
・タムタム
・ハープ
・鍵盤楽器
・ピアノ
・チェレスタ
・弦五部
・ヴァイオリン1
・ヴァイオリン2
・ヴィオラ
・チェロ
・コントラバス
・オマケ(1911年版のみ)
・舞台袖(小太鼓とタンブリン)
<余談>
はい、27曲目です。
今回は「ペトルーシュカ」です。
話的に、ロシア版ピノキオと考えるとすんなり気持ちよく理解できる(かもw)
えーと、このバレエ第4場が怖くてですね・・・
未だに第4場だけ真面に見た事が無い・・・。
いわゆるグロテスクなんですね。
おまけに、最後は亡霊になって出てくるっていう。
おーこわいこわい。
ハ長調と嬰ヘ長調を組み合わせた、
いわゆる「ペトルーシュカ和音」が特徴である。
もともと、ピアノ協奏曲として作曲する予定だったらしい。
そのため、ピアノがさりげなく活躍する。
(特に第1場の「ロシアの踊り」)
<さらに余談>
この曲、1914年にピアノ独奏用に編曲されている。
それが「ペトルーシュカからの3楽章」である。
ペトルーシュカというのは言うまでもなく、このバレエ音楽。
この中から3曲を選んで編曲されている。
・第1楽章:ロシアの踊り(第1場)
・第2楽章:ペトルーシュカの部屋(第2場)
・第3楽章:謝肉祭(第3場)
こいつ、めちゃめちゃ難しい。
所々、4段譜で書かれている。
しかし、難曲にも関わらず、プロピアニストがこぞって、
演奏する人気曲となってる。
めちゃめちゃ癖のあるテクニックを多用することでも有名である。
グリッサンド多用だしw
なお、のだめカンタービレで"のだめ"が
「ロシアの踊り」を弾いてるシーンがある。