バレエ音楽「火の鳥」
ロシアの作曲家、イーゴル・ストラヴィンスキーが1910年に作曲した、
1幕2場のバレエ音楽である。
全曲版と3つの組曲版がある。
かの有名な天才興行家ディアギレフの依頼によって作曲された。
今日「火の鳥」と聞いて耳にするのは、
主に1919年の組曲版である。
一体、何がちがうのかを以下に記す。
・全曲版(1910年)
俗にいう、原典版である。
これを基準に考える。
・組曲版(1911年)
バンダが省かれている。
・組曲版(1919年)
上の2つが4管編成なのに対し、2管編成になっている。
おまけに、打楽器が減少。
また、「子守歌」のチェレスタが必須ではなくなっている。
(ピアノまたはチェレスタ)
・組曲版(1945年)
スネアドラム(小太鼓)が追加される。
イングリッシュホルンのパートがオーボエになってる。
一部、金管楽器や打楽器が分厚くなっている。
ということで、ここでは組曲版の1919年を取り上げる。
演奏時間:約30分
<楽曲構成>
・序奏
・火の鳥の踊り
・火の鳥のヴァリアシオン
・王女たちのロンド(ホロヴォード)
・魔王カスチェイの凶悪な踊り
有名なトロンボーンのグリッサンドが楽しめる。
・子守歌
・終曲
<楽器構成>
・木管楽器
・ピッコロ
・フルート
・オーボエ
・イングリッシュ・ホルン
・クラリネット
・ファゴット
・金管楽器
・ホルン
・トランペット
・トロンボーン
・チューバ
・打楽器
・ティンパニ
・バスドラム
・タンバリン
・シンバル
・トライアングル
・シロフォン
・ハープ
・鍵盤楽器
・ピアノ
・チェレスタ(任意)
・弦五部
・ヴァイオリン1
・ヴァイオリン2
・ヴィオラ
・チェロ
・コントラバス
<余談>
はい、26曲目です。
今回は、楽曲説明を敢えて書かなかった。
それは、サボリとかそんなんじゃなくて、
実際に聞いてくれという意味で書かなかった。
特に、終曲は聞いた事無ければぜひ聞いて欲しい。
オーケストラが上手ければめちゃめちゃ感動する。
さて、補足事項。
この曲、1910年にオペラ座で初演された。
また、日本の演奏会での全曲初演は、
1971年の小澤征爾さん指揮の
日本フィルハーモニー交響楽団の演奏会だそうな。
なお、音楽はリムスキー=コルサコフに献呈されている。
ちなみに、1919年版はディズニーの「Fantasia 2000」でも出てくる。
さらにちなみに、
ストラヴィンスキーは1959年に来日し、NHK交響楽団を指揮した。
その際、1945年版の組曲が演奏されたが、チェレスタを加えての演奏だった。
チェレスタを弾いていたのは、なんと黛敏郎さんであったそうな。