組曲「カレリア」 Op.11
フィンランドの作曲家、シベリウスが1893年に作曲した組曲である。
元々は野外劇の音楽として作曲されたが、その劇が失敗に終わったため、
1903年に「序曲(Op.10)」と「組曲(Op.11)」として、出版された。
今回は、その2つのうち「組曲」の方である。
ちなみに、この劇はシベリウス自身が失敗に終わった時に、
自ら廃棄しているため、現在遺っていない。
なお、序曲も現在では滅多に演奏されない曲である。
全3曲、演奏時間:14〜15分
<楽曲構成>
・第1曲:間奏曲
劇の第3景にあった曲らしい。
ホルンのファンファーレのような旋律から始まる。
弦楽器と打楽器の伴奏がジワジワクレッシェンドしてくる。
メインは、タンバリンも入って、なんか愉快な音楽になる。
ほぼ単一主題がいろんな楽器に演奏される形である。
弦楽器がすごく忙しそうw
比較的静かに終わる。
演奏時間:3〜4分
・第2曲:バラード
劇の第4景にあったらしい。
序盤は、劇ではバリトンの独唱があったためか、
スゴく楽器が何かを語っているような旋律である。
一息で語り続けてるような旋律が目立つ。
中盤は、弦楽器が1つの主題をユニゾンで壮大に奏でる。
終盤は、序盤の旋律を戻して、静かに終わる。
演奏時間:7〜8分
・第3曲:行進曲風に(アラ・マルチャ)
劇の第5景にあったらしい。
2つの主題で構成されており、
その2つの主題が代わる代わる出てくるという感じ。
「行進曲風に」となっているが、行進曲であるw
この曲、単独で演奏される事も多いほど、よく知られた曲である。
すごくテンポがいいので、聞いていても演奏していても楽しくなる。
後半になるに従って、盛り上がっていく。
この曲の面白い所は、伴奏。
一定のリズムで一定の音程を続けるところが、弦楽器に多いので、
ちょっと注意して聞くと面白いかもw
最後は、ユニゾンでおわる。
演奏時間:4〜5分
<楽器構成>
・木管楽器
・ピッコロ
・フルート
・オーボエ
・イングリッシュホルン
・クラリネット
・ファゴット
・金管楽器
・ホルン
・トランペット
・トロンボーン
・テューバ
・打楽器
・ティンパニ
・シンバル
・大太鼓
・トライアングル
・タンブリン
・弦五部
・ヴァイオリン1
・ヴァイオリン2
・ヴィオラ
・チェロ
・コントラバス
<余談>
はい、16曲目w
今回はシベリウスの組曲「カレリア」を取り上げてみたw
この曲、シベリウスが新婚旅行で行った
カレリア地方の民謡などをモチーフに作曲された曲。
シベリウスらしい楽曲である。
特に、第2曲の中盤(3分37秒〜4分00秒過ぎぐらい)
に弦楽器のユニゾンで奏でられる旋律が、後に作曲される、
交響詩「フィンランディア」の終盤に似てると思う。
これより、フィンランディアを作曲する時に、
多少、参考にしたんじゃないかな、と個人的に考えてる。
そんくらい、どこか似ているところがあるw
第3曲は、最初聞いたとき(小学生のとき)、虜にされたね。
こんなおとなしいんだけど、行進してる感のある曲は、
それまで聞いた事無かったからね。
何回、ヘビーローテーションしたことかw
それくらい聞き込んだ曲w
地味だけど、どこかカッコいいんだよねw
この第3曲は、金管(特にトランペット)が
上手くないと気が抜けてしまって残念な演奏になるw
ぜひ、"金管の上手いオーケストラ"の演奏で聞いてみてくださいw
さて、次回は誰でしょうか、お楽しみにw