チェロ協奏曲 ロ短調 作品104
チェコの作曲家、ドヴォルザークが1894年に作曲した、
チェロ協奏曲である。
この協奏曲、非常に面白い協奏曲で、
ボヘミアン音楽と黒人霊歌、
さらにはインディアン音楽までもが融合している。
そういう意味で、チェロ協奏曲の中では名曲中の名曲である。
全3楽章、演奏時間:約40分
<楽曲構成>
・第1楽章:Allegro
ロ短調。
どこか寂しい主題をクラリネットが奏でるところから曲が始まる。
なお、第1主題の間に独奏チェロの出番は無い。
やがて、ホルンの優しく慰めるかのような旋律の後に、
独奏チェロが第1主題を奏でる。
だんだんカデンツァのようになり、アップテンポな部分を経て、
独奏チェロが今度は第2主題を奏でる。
再現部になると、オーケストラの後に、
独奏チェロが同じ旋律を奏でる。
最後は金管楽器のファンファーレのような演奏を経て、
全員合奏で力強く終わる。
演奏時間:約15分
・第2楽章:Adagio ma non troppo
ト長調。
全体的に木管楽器と独奏チェロの対話である。
すごく、優しいメロディーで終始奏でられる。
俗にいう、眠くなる旋律である。
ドヴォルザークの抒情性に満ちた旋律を、
とことん堪能できる楽章となってる。
演奏時間:約12分
・第3楽章:Allegro moderato
ロ短調。
2/4拍子で書かれており、舞曲のような行進曲のような曲である。
主題の断片をホルンから順に大きくしていき、
やがて独奏チェロが完全な主題を奏でる。
第1副主題、第2副主題が非常に美しい。
最後は、独奏チェロの演奏が終わったと同時に、
急クレッシェンドし「新世界に来てしまった」と言わんばかりの
弦の連打に合わせ金管楽器が演奏し、急加速しかっこ良く終わる。
演奏時間:約13分
<楽器構成>
・独奏チェロ
・木管楽器
・ピッコロ
・フルート
・オーボエ
・クラリネット(A)
・ファゴット
・金管楽器
・ホルン
・トランペット
・トロンボーン
・チューバ
・打楽器
・ティンパニ
・トライアングル(第3楽章のみ)
・弦五部
・ヴァイオリン1
・ヴァイオリン2
・ヴィオラ
・チェロ
・コントラバス
<余談>
はい、12曲目です。
今回はドヴォルザークを取り上げてみたw
ドヴォルザークというと、真っ先に思い浮かべるのは、
交響曲第9番「新世界より」だと思うけど、
こいつは後々取り上げることにして、今回は、
チェロ協奏曲を取り上げてみたw
ドヴォルザークは1891年から
1895年までアメリカの音楽学校で教鞭を執っていた。
このチェロ協奏曲はそのアメリカにいた時に最後に書いた曲である。
だから、スゴく弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」のような、
感じがどことなくする。
弦楽四重奏曲第12番とともに、ドヴォルザークの描くアメリカは、
この曲のような感じなのかもね。
特に、第3楽章はそれを感じる。