ピアノ協奏曲 ト長調
ラヴェルが最晩年に書いた2つのピアノ協奏曲の内の1つである。
1931年に作曲された。
全体的に陽気な曲となってる。
最晩年に作曲されたことも相まってか、すごくいろんな要素を含んでいる。
例えば、ジャズのような旋律があったり、どこかの民族音楽のような旋律もある。
全部で3楽章構成。演奏時間:約20分。
<楽曲構成>
・第1楽章:allegramente ト長調
第1楽章からいきなり陽気な曲調である。
一見、ソナタ形式であるように見えるが、そうではない。
最初は鞭(ムチ)の音で始まる。
ピッコロにより第1主題が奏でられる。
この第1主題が、バスク風の曲調をしてる。
その後、ロ短調に転調し、ピアノが第2主題を奏でる。
再現部でピアノのカデンツァ(※1)があるのだが、その前に、
ハープと木管楽器のカデンツァがある。
最後は、コミカルな曲調にて、締めくくる。
個人的に、この楽章最後が好きw
演奏時間:約8分
・第2楽章:Adagio assai ホ長調
第1楽章とは打って変わってサラバンド風な曲調。
ピアノ協奏曲としては異例の冒頭2分以上に及ぶピアノソロがある。
また、表記は3/4拍子となっているが、伴奏は6/8拍子に聞こえ、
ポリリズム(※2)的になっている。
やがて、イングリッシュホルンのソロが聞こえ始めると、
ピアノはアラベスク風の旋律になり、対話を始める。
最後はピアノのトリルに乗って儚く悲しげに終わる。
演奏時間:約9分
・第3楽章:Presto ト長調
第2楽章と打って変わって速いテンポの曲調である。
ピアノはトッカータ風の旋律であるが、
冒頭からピアノが暴走状態である。
ストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ」みたいな感じの音楽である。
この楽章の面白いところは、序盤に
「ゴジラ、ゴジラ、ゴジラがやってきた」
と聞こえる旋律があるところである。
冒頭のリズムがジングル的に使われていて、何度も登場する。
そのリズムが現れると曲調がかわる。
テンポが速いため、他の楽章と比べると演奏時間は短い。
だが、ラヴェルの集大成と言わんばかりの楽章である。
演奏時間:約3分
<楽器構成>
・独奏ピアノ
・木管楽器
・ピッコロ
・フルート
・オーボエ
・コーラングレ(イングリッシュホルン)
・クラリネット(E♭)
・クラリネット(B♭)
・クラリネット(A)
・ファゴット
・金管楽器
・ホルン
・トランペット(C管)
・トロンボーン
・ティンパニ
・打楽器
・大太鼓
・小太鼓
・シンバル
・タムタム
・トライアングル
・ウッドブロック
・鞭
・ハープ
・弦五部
・ヴァイオリン1
・ヴァイオリン2
・ヴィオラ
・チェロ
・コントラバス(五弦)
<余談>
はい、これで3曲目です。
(先は長いなーもー)
今回はラヴェルのピアノコンチェルトを取り上げてみたw
この曲は、僕がピアニストのマルタ・アルゲリッチを
知るきっかけとなった曲。
NHK-FMでやっていた「気ままにクラシック」(現、きらクラ)の
コーナーに「あれ?どこか似ているかもコーナー」というのがあった。
たまたま、風邪で学校を休んだときに聞いていて、
「ラヴェルのピアノ協奏曲の第3楽章がゴジラに聞こえる」
という、投稿を紹介していた。
風邪で体怠かったけど、聞いた瞬間爆笑したw
確かに似てるw
毎回、判定が野球の判定で出るのだけど、
当然のごとく「ホームラン」だったw
後に、気になって調べたときにアルゲリッチが、
この曲を弾いてる動画を見て感動した。
そんな思い出があって、今回取り上げてみたw
ちなみに、レナード・バーンスタインは、
この曲を弾き振りしたことがある。
この様子はYouTubeで見れるので、探してみてくださいなw
最後がすごいw
<用語解説>
※1:カデンツァ・・・協奏曲や交響曲の中で、ある独奏楽器が
ソロで自由に即興的な演奏をする部分のこと。
※2:ポリリズム・・・パートにより拍の位置が異なること。
変拍子とは異なる。