タイトル:おくりびと
監 督 :滝田洋二郎
主 演 :本木 雅弘
音 楽 :久石 譲
<ストーリー>
東京のオーケストラにチェロ奏者として所属していた小林大悟。
ある日、第九の演奏をしたのを最後に楽団の解散を告げられる。
(ちなみに、最後の第九演奏会の場面で指揮していたのは飯森さん)
自暴自棄になり1800万のチェロを売り払い妻とともに山形の実家に帰郷。
就職口をさがしていたある日、「旅のお手伝い」と書かれた求人広告を見つけ、
旅行代理店かと勘違いし、さっそくその求人もとへ行く。
しかし、行った先の仕事は納棺師(亡くなった人を棺に納める人)だった。
こうして、ひょんなことから納棺師になってしまった小林大悟の納棺師という仕事を通して
成長していく様をコメディを混ぜながらつづっていく話。
ある日、帰宅したとき、妻に隠していた納棺師という仕事がばれてしまい、
「そんな汚らわしい仕事は辞めて」とお願いする妻に大悟は態度を決めきれず、
妻は実家に帰る。
月日は流れ、一人前になったころ突然妻が帰ってくる。
とあることを知らせるために。
そんな、知らせを聞いた直後、大悟の携帯に1本の電話が入る。
それは、夫婦でお世話になった銭湯のおばあちゃんが亡くなったという知らせだった。
大悟は白い目で見ていた幼馴染の山下と妻の前で銭湯のおばあちゃんを納棺し、
山下と和解し、妻の理解を得る。
そんなある日、2年前に亡くなった大悟の母宛てに電報が届く。
その内容は、大悟が子供の時に家庭を捨て出て行った父の訃報を知らせるものであった。
一度は父親の遺体を引き取ることを拒否しようとした大悟に、
会社の同僚上村に「最後の姿を見てあげて」と説得され、大悟は父の安置場所に妻と急行する。
そこでの、葬儀屋が納棺する前に
「僕がやってもいいですか?」と声をかける。
しかし、葬儀屋は「わたくしたちがやりますんで後でお水を飲ませてあげてください」と
仕事を続けようとする。
その仕事の余りの雑さにしびれを切らし、葬儀屋を父の遺体から振り払う。
そして、妻が「夫は、納棺師なんです」と一言。
大悟は実の父親を納棺するのであった。
<音楽>
作曲はジブリ映画でお馴染みの久石譲さん。
さすが、久石さんだなぁとw
曲が神曲すぎるw
エンディングで泣きそうになったよ。
チェロが美しすぎてたまらない。
<感想>
納棺師・・・複雑な仕事だよね。
人の遺体を棺に納める。それだけではない仕事。
決して簡単なことではなく、かなりの精神力、忍耐力の要求される仕事だと俺は思う。
また、身近な人の死が最近あった人にとってはかなりつらい作品だと思う。
思い出してしまうから。
実際、俺も亡くなった祖父のことをフッと思いだして泣きそうになった。
祖父は夜寝ている間に心臓発作(実際どうなのかは知らんがどうやら心臓に持病がありそれが弾けたのだと思われる)でポックリ逝ってしまった。
俺の誕生日約2週間前の快晴の日曜日だった。
午前中食料品を買いに行き、午後から俺の誕生日プレゼントを買いに行こうという話をしている最中
1本の電話がかかってきた。
お袋が取り、取った瞬間顔色が変わるのがわかった。
そして、親父に電話を渡した。
とりあえず、その時点ではお袋が顔色を変えて焦っていることだけは理解した。
そして、親父が受話器を置き、「親父がひっくった」といい車で急遽帰省。
ひっくった=ひっくりかえった=倒れた
ここまでしか理解できなかった。
そして、その1時間後またも電話がなった。
お袋が受話器を置き一言
「おじいちゃんが亡くなった。」
もう何が何だかわからなかった。
そして、なにがなんだかわからないまま俺らも親父の実家へ急行。
駅まで迎えに来てくれたおばから、祖母が仕事に行き帰ってきても起きていなかったため
不審に思い祖父の部屋に起しに行ったら、冷たくなっていたことを聞かされた。
さらに、慌てて親父に電話をかけて来たことも聞かされた。
そして、ついに祖父の遺体と対面。
怖くて顔にかけてある白い布を捲れなかった。
怖いのレベルじゃなかった。
怖いを超越したなにか複雑な気持ちだった。
祖父母宅は慌ただしく俺らは邪魔者だったので、
祖父の遺体を見た後、さっさと2階に退避させてもらった。
その晩、従姉妹が来た。
ほんと、夜中の0:00ぐらいに。
次の日の朝、葬儀屋が来て、今日の「おくりびと」のように祖父の遺体を納棺した。
直視できなかったことを覚えてる。
その日の晩、通夜が営まれ、3日目に葬式が営まれた。
火葬場で祖父を送るときの悲しさは今でも忘れない。
いろんな思い出が一気に蘇って、自然と涙が込み上げてきてた。
長男だからとかいう強がり言ってる自分がバカだとおもった瞬間だった。
骨を墓におさめたとき、ようやく祖父が亡くなったことを自分の中で受け入れられた。
一番下の従姉妹が泣いたとき表面上では理解したのだが、内心では信じられていなかった。
そんなことを、思い出しつつ今日の「おくりびと」を見てた。
実は、今も涙が・・・。